ytaoのブログ

新しく事業を始めた方のために有意義な情報を発信します。

個人事業者向けの無料「記帳指導」を受けてみてはいかが?

にほんブログ村 税理士                       http://y-koji.wix.com/yano


1.記帳はどうして必要なのか


個人事業者は、事業を始めて所得または損失が発生すると、翌年216日から315日の間に確定申告書または確定損失申告書を提出しますが、これらの申告書の記載は、取引を整然かつ明瞭に記録した所定の帳簿により計算した、正確な事業所得に基づかなければなりません。


 しかし、そもそも帳簿をつける目的は、確定申告のためだけではありません。


 記帳をしないで事業経営を続けていくと、事業が拡大するにつれて、気持ちが大きくなり「儲け」に対する感覚が現実とズレてきます。「儲かっているはずだ」と思っていても現実は厳しい状況になっていることに気がつかず、いつの間にか事業に行き詰まることになってしまいます。また、資金繰りを考えず投資を急ぎ、資金ショートすることもあります。
 
 記帳を行い、常に損益の状況等を確認しながら、事業を堅実に進めていくことが事業経営の基本です。
 
 さて、税務署では次のような無料のサービスを提供しています。


1.白色申告の事業者向けの無料「記帳説明会」 
 
  白色申告の事業者向けに、無料の記帳説明会を開催しています。


  「記帳説明会」では、記帳・帳簿等の保存制度の概要や記帳方法等についての説明を行います。 
  
  所要時間は約12時間程度です
  
  毎年5月中旬から6月下旬までと、10月中旬から11月下旬までの2回に分けて開催します。


  また、決算時期には、「決算説明会」を開催し、棚卸の仕方、減価償却の方法などについての説明を行います。


  開催時期や申込みの期限は最寄りの税務署にお尋ねください。



2. 税理士等による無料個別指導


  新たに青色申告を行う方や新たに消費税の課税事業者となる方などで、記帳指導を希望される方には、記帳の仕方のほか、一般的な決算における処理や確定申告書等の作成の仕方に至るまでの一貫した指導を、各国税局が事業者に委託して行っています。


  指導方式は次の3つの中から選択できます。


  1. 会計ソフト方式

     

    指導会場において会計ソフトを用いて記帳の仕方等について説明します。パソコンは会場に準備しています。

     使用する会計ソフトの種類は、記帳指導の受託者である事業者により異なります

     

  2. 説明会方式

    指導会場(青色申告会、商工会議所、商工会)において一般的な資料に基づき説明します。
 
   3. 個別指導方式 


  記帳指導を実施する方の自宅又は事業所等において、税理士等が、直接指導します。


  記帳の仕方の指導から決算の方法、e-tax(国税電子申告・納税システム)による申告まで、複数回(45回程度)の記帳指導を行います。


  平成27年の記帳指導の受付は、終了していますが、今後開催する記帳指導を希望される場合は、来年の確定申告期限(315)までに税務署に申込書を提出します。(青色申告承認申請書を提出した場合は、その年に郵便で案内が来ます)


  詳しくは最寄りの税務署(所得税担当)にご連絡ください。

住宅取得資金の贈与は非課税です。その節税効果は?

にほんブログ村 税理士                       http://y-koji.wix.com/yano


 通常は人にお金を贈与すると(贈与した金額-110万円)の金額に対し、その金額の多寡により10%~55%の贈与税がかかります。


 今回は、父母や祖父母が、子や孫のためにその住宅(国内にある土地・建物)の取得資金を贈与したときは贈与税がかからない制度のお話です。


 この制度の適用を受けるには、次の条件があります。

 
(1)贈与を受けた者(20歳以上)は、その受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、そこに住むこと。

 
(2)中古住宅を取得するときは、築後20年(耐火建築物は25年)以内のものか、「耐震基準適合証明書」の付いているものを取得すること。


(3)増改築の場合は、工事費用が100万円以上であり、「増改築等工事証明書」を付けること。


(4)贈与税の申告期間(贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日)内に贈与税の申告書を提出すること。


  なお、贈与金額のうち非課税となる金額は、一般住宅の場合、住宅の取得契約締結の時期により次のとおりとなります。(省エネ・長期優良・低炭素の証明のある住宅の場合は、一般住宅の非課税金額にさらに500万円を加算します)


     1.平成27年1月1日~同年12月31日・・・・・       1000万円
     2.平成28年1月1日~同年9月30日  ・・・・・                 700万円
     3.平成28年10月1日~平成29年9月30日・・・   
   法人から取得の場合(消費税10%がかかる場合)  2500万円
   個人から取得の場合など(消費税がかからない場合)  700万円
     4.平成29年10月1日~平成30年9月30日・・・   
   法人から取得の場合(消費税10%がかかる場合)  1000万円
   個人から取得の場合など(消費税がかからない場合)  500万円

     5.平成30年10月1日~平成31年6月30日・・・   
   法人から取得の場合(消費税10%がかかる場合)    700万円
   個人から取得の場合など(消費税がかからない場合)  300万円


 この制度を利用した場合の贈与税の節税効果は、
   1000万円を贈与した場合は、(1000万円-110万円)×30%-90万円=177万円
   2000万円を贈与した場合は、(2000万円-110万円)×45%-265万円=585.5万円



 贈与しないで相続することとした場合との比較による節税効果については計算が複雑になり一概には言えませんが、相続税も相続財産の多寡により10%~55%の累進税率が適用されますので、贈与により相続財産が減少(相続開始前3年以内の贈与であっても相続財産に加算する必要はありません)し税率のランクが下がれば大きな節税効果を生じます。
 単純計算では、
 例えば、相続財産の総額6000万円が生前贈与により4000万円となる場合の節税効果は、
  (6000万円×30%-700万円)-(4000万円×20%-200万円)=500万円となります。



 ただ、読者の皆様がこの制度を利用されるときは、お子様やお孫様に不公平が生じないようお金の分配に気を遣うでしょうね。

                                          以上

社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の運用が始まります

にほんブログ村 税理士

1 .本年10月から、国民一人ひとりには個人番号が、企業等には法人番号が通知されます。

 
平成255月に「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律」他関連3法(番号法)が成立しましたが、いよいよ本年(平成27年)10月から、国民一人ひとりに対し個人番号が、企業等に対しては法人番号が通知され、その運用が始まります。このマイナンバー制度により、これまで複数の行政機関に分散した個人情報が容易に一元化でき、行政事務の効率化が図られます。ただし利用分野は、社会保障・税・災害対策の3分野に限られ、また事業者が特定個人情報を不正に流通させることのないよう制限が設けられるとともに罰則も強化されています。

 

2.法人や個人事業者は番号をどのように利用する?
・税務申告書および申請書等、支払調書、源泉徴収票などには、事業主の法人番号、個人番号または支払先もしくは従業員に係る法人番 号、個人番号を記載します。

・扶養控除等申告書に本人、扶養親族等の個人番号の記載が求められ ます。
・社会保険や労働保険の被保険者資格取得届などにも法人番号、個人番号を記載します。

 

3.税務関係書類への番号記載時期は何時から?
平成281月の番号利用開始を前提とすれば以下のとおりです。
 ・納税申告書
  所得税は平成28年分から、法人税では平成281月以降に開始する事業年度にかかる申告書から
  となります。
 ・法定調書
  平成281月以降に生じる支払等が行われるものからとなります。
 ・申請書等
  平成281月以降に提出するものからとなります。
 ・扶養控除等申告書

  平成281月以降に提出するものからとなります。

 

 番号制度が施行されれば個人のプライバシーが侵害されるとの懸念を抱く向きもありますが、番号制度が早く導入されていれば、かって世間を騒がせた「消えた年金問題」は起きなかったかもしれませんし、むしろこの制度が公平公正な社会の実現に役立つことを期待しています。