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住宅取得資金の贈与は非課税です。その節税効果は?

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 通常は人にお金を贈与すると(贈与した金額-110万円)の金額に対し、その金額の多寡により10%~55%の贈与税がかかります。


 今回は、父母や祖父母が、子や孫のためにその住宅(国内にある土地・建物)の取得資金を贈与したときは贈与税がかからない制度のお話です。


 この制度の適用を受けるには、次の条件があります。

 
(1)贈与を受けた者(20歳以上)は、その受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、そこに住むこと。

 
(2)中古住宅を取得するときは、築後20年(耐火建築物は25年)以内のものか、「耐震基準適合証明書」の付いているものを取得すること。


(3)増改築の場合は、工事費用が100万円以上であり、「増改築等工事証明書」を付けること。


(4)贈与税の申告期間(贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日)内に贈与税の申告書を提出すること。


  なお、贈与金額のうち非課税となる金額は、一般住宅の場合、住宅の取得契約締結の時期により次のとおりとなります。(省エネ・長期優良・低炭素の証明のある住宅の場合は、一般住宅の非課税金額にさらに500万円を加算します)


     1.平成27年1月1日~同年12月31日・・・・・       1000万円
     2.平成28年1月1日~同年9月30日  ・・・・・                 700万円
     3.平成28年10月1日~平成29年9月30日・・・   
   法人から取得の場合(消費税10%がかかる場合)  2500万円
   個人から取得の場合など(消費税がかからない場合)  700万円
     4.平成29年10月1日~平成30年9月30日・・・   
   法人から取得の場合(消費税10%がかかる場合)  1000万円
   個人から取得の場合など(消費税がかからない場合)  500万円

     5.平成30年10月1日~平成31年6月30日・・・   
   法人から取得の場合(消費税10%がかかる場合)    700万円
   個人から取得の場合など(消費税がかからない場合)  300万円


 この制度を利用した場合の贈与税の節税効果は、
   1000万円を贈与した場合は、(1000万円-110万円)×30%-90万円=177万円
   2000万円を贈与した場合は、(2000万円-110万円)×45%-265万円=585.5万円



 贈与しないで相続することとした場合との比較による節税効果については計算が複雑になり一概には言えませんが、相続税も相続財産の多寡により10%~55%の累進税率が適用されますので、贈与により相続財産が減少(相続開始前3年以内の贈与であっても相続財産に加算する必要はありません)し税率のランクが下がれば大きな節税効果を生じます。
 単純計算では、
 例えば、相続財産の総額6000万円が生前贈与により4000万円となる場合の節税効果は、
  (6000万円×30%-700万円)-(4000万円×20%-200万円)=500万円となります。



 ただ、読者の皆様がこの制度を利用されるときは、お子様やお孫様に不公平が生じないようお金の分配に気を遣うでしょうね。

                                          以上

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