新規開業の場合の消費税課税事業者の選択
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事業開始当初は何かと出費が先行し、事業損益が赤字となることが多いようです。ご承知のように、新規開業した事業者の場合、初年度と次年度は消費税の免税事業者ですが、一定期間の通算事業損益が赤字になり消費税の還付を受けられる見込みであれば、消費税の還付を受けるために課税事業者選択を検討してみてはどうでしょうか。
新規開業後の初年度、次年度は原則として免税事業者
個人事業者の場合は新規開業年度とその翌年度、法人の場合は設立事業年度とその翌事業年度は原則として免税事業者です。
課税事業者を選択する方が有利な場合
課税売上に係る消費税額よりも課税仕入れ等に係る消費税額が大きいときは、その差額を還付してもらうことができます。
ただし、新規開業した事業者は、免税事業者ですから、何もしなければこの還付を受けることができません。
新規開業した事業者が還付を受けるためには、自ら課税事業者になることを選択し、適用を受けようとする課税期間の開始日の前日まで(新規開業の場合は、適用を受けようとするその最初の課税期間中)に税務署に届け出る必要があります。
ただ一旦届け出ると、課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間まで(具体的には、個人事業者の場合は届出た年から翌年まで、法人の場合は届出た事業年度から翌々事業年度まで)は免税事業者に戻ることはできません。(注)
(注)基準期間の課税売上高が1000万円超となるとき(または特定期間*の課税売上高若しくは給与等支払額が1000万円超となるとき)は課税事業者となります。
*特定期間とは、個人事業者の場合は前年1月1日から6月30日まで、法人の場合は前事業年度の開始日から6月の期間。
課税事業者を選択する方法
免税事業者が課税事業者になることを選択する場合は、適用を受けようとする課税期間の開始前(新規に事業を開始した課税期間の場合には、その課税期間中)に「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出します。
免税事業者に戻る方法
課税事業者を選択していた事業者が選択をやめよう(免税事業者に戻ろう)とする場合は、免税事業者に戻ろうとする課税期間の開始前に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を税務署に提出します。
ただし、上で述べたとおり、個人事業者の場合は届出た年の翌年末まで、法人の場合は届出た事業年度の翌々事業年度までは、免税事業者に戻ることはできません。
また、課税事業者となった日から2年を経過する日までに開始した各課税期間中に調整対象固定資産*を購入しかつ確定申告を一般課税で行ったときは、その購入した日の課税期間の初日から3年間、免税事業者にはなれません。
*調整対象固定資産とは、税抜購入価額が100万円以上の固定資産をいいます。
以上